女性研究者の”産み時”

出産の問題はすごくいろんな側面があると思うけど、最近いろんな情報に接して整理されてきたので、書いてみようと思う。

 

いつ産むか、多分選択肢は大きく分けて4つ。

  1. 大学院(20代)
  2. ポスドク(20代後半~30代前半)
  3. 任期付ポスト(30代~)
  4. テニュアポスト(40代~)

 

以下それぞれのメリット・デメリットなど

①大学院(20代)

〈メリット〉

  • 休学ができるので、産休・育休が取りやすい
  • 若いので妊娠できる可能性が高い
  • 体力がある
  • 将来学振のRPDなどに応募できる

〈デメリット〉

  • 休学中、授業料は免除されるものの、学振DCや奨学金などもストップになるので、収入がなくなる
  • 研究業績があまりない(もしくは、研究遂行能力が低い)状態で子どもをもってしまうと、その後のキャリアがかなり心配
  • 学生という社会的に弱い立場なので、地域の保育園などに子どもを入れづらいらしい(学振DCをもっていると、比較的通りやすい?)

 

ポスドク(20代後半~30代前半)

〈メリット〉

  • 妊娠のしやすさにおいてターニングポイントになる35歳よりも若い
  • まだ体力がありそう
  • 将来学振のRPDなどに応募できる(なるべくポスドク期間を伸ばしたくはないが。。。)

〈デメリット〉

  • 学振系は多分お給料ストップ?なお理研の特別研究員は有給の模様
  • キャリアのことを考えると育休はまず無理
  • ポスドクは博士課程以上に研究業績を積む必要があるので、キャリアが心配
  • そもそもポスドクの雇用は3年契約(学振)だったり、1年ごとに更新だったりするので、路頭に迷う可能性を思うと全く気が休まらない

 

③任期付ポスト(30代後半~)

〈メリット〉

  • 任期付とはいえ、ポスドクよりは守られた立場になるので、気持ちの余裕が生まれる(本当に?)
  • 育休がとれるようになる

〈デメリット〉

  • 妊娠もしづらくなるし、高齢出産
  • 徐々に体力もなくなっていく
  • 現実的にキャリアや責任を考えると育休はとらないことになりそう

 

テニュアポスト(40代~)

〈メリット〉

  • もう仕事を探さなくていい!!!!!!!!ので安心して産める
  • 育休がとれる

〈デメリット〉

  • そもそも本当になれるのか??????
  • 妊娠できない可能性は高い
  • 体力も徐々に衰えていく
  • 現実的にラボ運営を考えると育休はとらないことになりそう

 

生物的な出産適齢期が①②でありながら、そこで出産してしまうと、将来のキャリアが危うくなってしまうのが、一番の問題点。

きっとどの職種でも似たような状況ではあるものの、研究者は任期付きの職を積み重ねていくシステムなのが本当にきつい。

明日から給料がゼロになる状況が、数年ごとに必ずやってくるというのは、研究者本人にとっても、その家族にとっても、かなりの不安要素であることは間違いないと思う。

キャリアを考えたら”産み時”なんてものはないし、そもそも妊娠できるかもわからないし、産んだら終わりではなくそこから日々が始まるので皮算用しても、などの言い分もわかる。

だけど、やっぱり研究者の制度はかなり独特で、はっきり区切りがあるので、将来子供が欲しいと考えているなら、早いうちに選択肢をよく整理する必要があると思う。

 

私は同じラボに、子育て中の女性のポスドクの方がいらっしゃって、人生の先輩という意味でも本当に勉強させていただいている。

妊娠してつわりが始まったら絶対に仕事量・効率は落ちるし、平日に検診を受けにいかないといけないし、子どもが生まれても、保育園に預けるためのいろんな書類作成やら面接やらで忙しいし、保育園に入ってから1年くらいはすごい頻度で熱を出してラボにいけなくなるし、本当に大変だと思う。

これだけでもざっくり二年くらい?そう思うと、本当に世の全てのワーキングマザーには頭が下がる思いです。。。

 

自分がどのくらい子供が欲しいか、どういう生き方を望むか、よく考えないといけないですね。